中門と南門

Roo2011-09-05

すべての社寺にあるわけではないが、しばしば社寺には南門と中門がある。東大寺の有名な金剛力士像があるのは南大門。そのまままっすぐ大仏殿にむかっていき、正面にある門が中門である。通常は閉まっているので、参拝客はそこから西にむかい、西角にある入り口から大仏殿の回廊に入っていく仕組みになっている。中門が開くのは大晦日と中元(私の知っている限りでは)。

春日大社にも中門がある。本殿のひとつ手前の門がそれ。通常参拝者は、拝殿までしか立ち入りできないが、特別拝観の時にのみ、この中門の手前までいくことができる。八月の中元万燈籠の時にはこの門が開かれており、門のところで数名の神職祝詞を一心不乱にあげていたのにはびっくりした。すごい迫力だった。

つまり、中門は特別な時にしか開扉しない。今でこそ、一般人である私が中門までいくことができるが、遠い昔は一般の参拝はせいぜい南門止まりだったという。さて、何故に突然私がそのようなことをいいだしたのかというと、少しシャイな上司をもつ同僚の台詞からである。

「あの人さ、中門が開いた!と思ったら、南門だったりするんだよ。難しいよね」

中門と南門についての違いを建築専門から教えてもらった後だったからわかったけど、そうでなかったら「?」の内容である。そんな比喩が通じるなんて変な世界だな、オイ、と思いつつ、つまり、それだけ心を開いてくれるのが難しいってことね、と納得していると、すかさず、どこまでも楽天的な先輩の余裕の発言。

「え?お前そんなんなの?ダメな奴だな〜」
自分はとっくの昔に中門開けて本殿です、って感じである。

ただ、彼の性格を知る我々は、中門開けたと思って満足しているのは彼だけで、実は第一の鳥居付近であろうな、と確信するのでありました・・・。
罰当たりですみません。