蛍とドイツ

あっという間に季節がすぎて、帰り道に蛍がみえる時期になりました。

帰り道に、ズラッーと「奈良ムジークフェスト」の看板が並んでいて、ずっと気になっていたが、先週火曜日に、その看板にはビニール製の袋が取り付けられていることに気づいた。「鹿が食べてしまうのできちんと閉めてください」というような注意書きに笑いつつ見てみると、中にチラシが。なんと、樫本大進氏がくるではないかっ!

樫本大進氏といえば、若くしてデビューして話題になったが、たまたま2001年にある財団がつくったCDをもらうことがあって、そこに彼の演奏がはいっていたのを覚えている。昨年ベルリンフィルコンマスに就任したと聞き、頑張ってるんだなぁ、とぼんやりと思っていたが、徒歩5分の会場にくるなら、ぜひとも聴きたい。で、次の日、会場のチケットセンターに電話したところ、前日にも関わらず、まだチケットがあるとのことだったので、同僚と仕事帰りにいくことになった。

演奏中にお腹が鳴っては大変、と軽くつまんでいこうか、という話になって、きたまちにあるハンバーガー屋さんにはいった。手作りのバーガーで、非常にボリューム満点。夏日だったせいもあり、ビールまで飲んでしまい、自業自得とはいえ、コンサートに行くには、かなり危険な状態で会場入り。

会場に着いてみると、満席でひと安心。だって、この人の演奏だったら、あっという間にソールドアウトになってもおかしくないと思うのに、前日にもまだチケット買えたから、ちょっと心配してしまいましたよ。私も鹿が食べてしまう、という注意書きがなかったら、スルーしてたかも。笑。

この演奏会、実はメインは、ミハイル・プレトニョフ指揮の「ロシア・ナショナル管弦楽団」。いやぁ、これがけっこうよかった。実は、ロシアの管弦楽団の演奏を聴くのは初めてだった私です。しかも、チャイコフスキーグラズノフ。逆に樫本氏のベートーヴェンに違和感感じるくらいロシアでした。しかも、最後には「白鳥の湖」。
THE ロシア。
白鳥の湖」も、バレエ以外で聴くのは初めてでした。バレエは2回観てるけど、これがおかしくて、人生で最初に観た「白鳥の湖」は、ロンドンで。これは、白鳥が男だった・・・。二度目はシドニーのオペラハウス。ここでは初めて「あ、こういう話だったんだ、本当は」と学んだ。で、今回は演奏だけだったけど、演奏も充分楽しめる内容になっていた。すごいなぁ、チャイコフスキーさん(そこ?)。来週から出張でしばらくロシアだから、良い予習となりました。
樫本氏もよかったですよ。ただ、当たり前なんだけど、落ち着いたなぁ、という感じ。なんだかベルリンフィルが後ろにみえました。はい。

で、最初に、何故この音楽祭名がドイツ語なのか、ということを知事が説明していらっしゃいました。「ドイツの大統領が奈良にいらっしゃいまして・・・」ええっ?理由、それ?!