薔薇の騎士

オペラから帰ってきてからWさんのコメントをみる。
「立ち見はやめといた方が・・・」
・・・遅かったッス。
ということで、立ち見席で観てきた私である。「薔薇の騎士」は18時半から22時半の上演で、2度の休憩がはいるものの、なかなかの長丁場。その間、確かに立ち見はつらい。空腹感もあって、最後には非常に機嫌が悪くなっていた私である。だがしかし!3ユーロ50は安すぎませんか!430円くらいですよ。立ち見も場所さえいい場所をとれたら、かなり良いと思った次第。これに味を占めて、日曜日のコルンゴールド「死の都」も2時間ほどだし立ち見でいっかー、と思いつつ、来週水曜の「トリスタンとイゾルテ」は安くても座れる席にしよーっと計画中。確かバスティーユで「セビリアの理髪師」を観た時は、20ユーロくらいでけっこういい席だったが、果たしてウィーンのオペラ座はいかに。
まぁ、しかし、疲れるけれども、けっこう立ち見席が面白かったのも事実である。立ち見にも3種類あり、舞台正面後ろの方にあるのが、パルテッレParterre。他の2種類は3階にあるバルコーンBalkonと、ガレリーGalerieである。パルテッレが正面で観やすいと聞いていたので、パルテッレにして立ち見エリアにむかうと、既にバーにハンカチやらマフラーやらが巻きついており、場所がとられている。なんとなく、背もたれとして後ろに壁があったらいいかな、と思って結局一番後ろに立つことにした。これ、疲れたら後ろにもたれることができるので、大変楽だが、音が悪く、後ろに絶えず人が出入りする場合があるので、なかなか得策ではなかったようだ。一方で、この場所は立ち見席エリア全体を見渡すのに絶好の場所で、自然になんとなく、訪れている人々を観察してしまう場所である。例えば、日本人は3名くらいで、中国と韓国の人々と思われるアジア系は20名はいるなー、とか。ジーンズのペアルックで、めちゃくちゃアメリカ南部英語を話しているのはアメリカの夫妻ですねー、とか。すごくフォーマルなかっこうをしているあの老夫妻はどうして今日は立ち見ですかね、とか。このエリアを担当しているカタログ売りの係りのお兄ちゃんは、あの女性のお客さんといい感じですよー、とか。ネタはつきない。嫌な人間である。休憩時間に、暇つぶしに目の前で繰り広げられる小さな出来事に勝手にドラマをつくって盛り上がっていると、一緒にきた友人が呆れている。だって、目の前の人間観てるのも面白いやん。ねぇ?
え?肝心の「薔薇の騎士」の感想?うーーーーーん、すみません、私やっぱりオペラわかりません。退屈はしなかったですが、感動もなく。可もなく不可もなく。笑えるのが、脇役が個性的すぎて、主役が目立たなかったとこでしょうか。ひとつのことに集中できない人間はオペラ鑑賞にむかないのかなぁ、と思いつつある今日この頃。