いまあきらかになる事実【ベルヴェデーレ上宮・下宮】

Roo2006-01-27

告白します。実は、「奈良訪問」などと、ひと昔前のことを書いておいて、本人は既にウィーンにいたりする。えへへ。
ということで(?)、数年ぶりのウィーンである。極寒である。着いた日こそ、気温は1度前後で「これくらいなら余裕〜♪」とスキップしていたが、日曜くらいからマイナス15度の世界。お散歩、お散歩、と友人の家から徒歩20分の距離にあるベルヴェデーレ宮に向かっていたら、既に徒歩5分で激しく後悔。人通りがこんなに少ないのは、日曜であるという理由だけではあるまい。間抜けなことに帽子も耳あてもない私は、凍りつく顔をどうにかするためにマフラーをマチコ巻きしてみるが、友人には「ハッ、チベットから来た人がいる!」と驚かれた(自慢だが、ネパールで既にチベット難民の人々に「私の姪そっくり!」といわれた過去がある)。
さて、どうにか辿り着いたベルヴェデーレ。前回滞在中にウィーン市内の美術館や博物館を小さいものから大きいものまで行き尽くした私であるが、今回ここを再訪しようと思ったことには理由がある。友人の家から近かった、ということである。それだけである。
かのヴェルサイユ宮殿にて「彼は小さくて醜い男だ」とさる貴婦人に囁かれたのがベルヴェデーレを建てたオイゲン公。1797年にハプスブルク家の総司令官になったこのフランス出身の男は、オスマン・トルコ相手に数々の勝利をおさめた英雄である。優美なフランス式庭園や自分に似せて描かせたというアポロンなどをみると、彼の美に対するコンプレックスをヒシヒシと感じる。私もわかるぜ、その気持ち!という気もするけど、自分がアポロンになっちゃうのはいき過ぎじゃないでしょーか、オルゲン公。
さて、とにもかくにも、この上宮からはウィーンが一望でき、これがまた素晴らしい。ベルヴェデーレ(「よい眺め」の意)と呼ばれる所以であるらしい。フムフム、とうなずいて、初めて気づくある事実。そういえば、大学時代住んでいたアパートの名前は「ヴェルドミール」。しかも、眺めのいい小高い丘陵の上にあった!震災直後ということもあり、ほぼ選択肢なしで入居したのが、キャディさんの寮「ヴェルドミール」。10年後にウィーンにてあきらかになるこの名前の意味。どどーん。
なるほど、前回とは違った発見(?)があるのですね、と上宮の美術館に入ってチケットを差し出すと(上宮と下宮は共通券があり、入場する時に入場済の印をいれてもらう)、何故か係りのおじ様がチケットを離さない。ふと視線をあげれば、チケットに○印をつけた後、私の顔を見ながらなにやら書き込んでいる。なんと似顔絵を描いてくれているらしい。この寒さで客も少なく、非常に退屈をしていたようである。「ふふふ。美人に描いてくれたまへ」とニコニコ笑って待っていると、出来上がった絵が上のもの。ピッキーン、と固まってビリッ、と破って「やり直し!」と突きつけようかと思ったが、もう一度9ユーロ払えっていわれたら困るので、無言のままに受け取って入場。
私は全然納得いってねーぜ、オヤジさん。つーか、どうして動物耳がついてますかね。