変なにーちゃん

カンボジア研究の友人が本を出した。
「幻都 バンティアイ・チュマールの神々」
正しくは、写真集に彼が文をつけた形なのだが、出版記念パーティーがあるということで、彼も日本に招待されて、つい昨日来日した。フランス人だが、今年の4月からは調査でシェムリアップに滞在していたので、かなり寒そう。私が修士論文調査に入った時に、むこうも修士論文の調査でカンボジアに来ていたのでもう6年のつき合いになる。つき合えばつき合うほどに、変なにーちゃんなんである。
まず熱い。研究者にありがちだが、自分の研究分野を語らせたらとまらない。以前、朝の7時に家に来て、正午までずっとクメール美術史と建築史の変遷について語っていったのは参った。で、これもありがちだが、自分の研究分野とは関係のない私の研究の話は全く聞かない。興味がない、という顔をする。正直なやつである。
目立つ。おそらくシェムリアップで彼の特徴を述べれば、みんな「あぁ、あの人」とうなずく。常に全身黒で統一された服装、そして肩より長い金髪。あんた、それじゃ太陽吸収してしょうがないでしょ、と思うのだが、彼にはやはりこだわりがあるらしく、東京で会った時も全身真っ黒だった。しかし、何故か東京やらロンドンで会うと、ヨレヨレの黒いズボンがなんだかすごい黒のレザーパンツに変っている。都会はレザー、熱帯はコットンということらしい。今回は予定外であったらしく、フランスからレザーを持ってきていない、とあせって「バンコクか東京でレザーパンツが買えるところを知らないか」と問い合わせがあったが、私なら知っている、という何か確信があったんだろーか。それって、微妙?
とりあえず、アテンドしている暇はないので、横浜そごうでやっている「大アンコール・ワット展」の招待券を渡して勝手に楽しんでもらう。日本は2回目か3回目でもう東京にも詳しい。今度はiPodとデジカメ買うんだー、と秋葉原を巡る気満々。やっぱりマッキントッシュ関係もフランスで買うより日本が安いみたいである。大好きな日本の漫画家として「マモル ナカノ」を一番にあげた彼であるから(その場にいた日本人は誰も知らなかった)、いろいろとディープなエリアにも足をむけていそうである。
まぁ、そんな変なにーちゃん(一応博士)ですが、書いている建築論は確かなので、ぜひご一読を。