ピンキリです。

Roo2005-11-15

先週の平日夜10時ちかくに大学で先輩と交わした会話である。
「これ、明日の朝までの提出書類ですよね・・・」
「そうね」
「終わりませんね・・・」
「そうね」
うちの大学は夜10時で閉まる。
「けどね、明日の朝、私は朝7時半に築地の駅で待ち合わせをしたの」
「え。それまでに終わるんですか、これ」
「・・・そうね」
ということで、ホテルに泊まるよりは、と我が家での徹夜合宿となった。うっすらと障子のむこうが明るくなった頃、とりあえず書類を完成させて送信。その後「一緒に築地行く?」という誘いにフラフラと「寿司〜、寿司〜」と着いていくことに。で、築地の駅に着くと、そこで院の後輩2名が待ちかまえている。
「これ、今日の資料です」と手渡された紙に「???」それはネットでダウンロードしたのであろう築地本願寺のご案内。どうやら築地=市場=寿司と考えてウハウハしていたのは私だけで、本日のお題ならぬ目的は伊藤忠太設計による築地本願寺見学であったらしい。しかし、静かに涙を流す私の迫力に押されてか、はたまた市場見学はしたことない後輩1名の後押しからか、本願寺見学前に築地の市場を見学して寿司を食すこととなった。
まぐろの競り市は、今年から観光客の立ち入りが禁止になったらしいが、そんなディープなエリアに足を踏み入れんでも、市場の雰囲気は十分味わえる。感動したのが、吉野家の1号店(ここでは国内産の牛肉を使ってまだ牛丼が食べれる)。築地に来る前にいろいろな情報を集めておけばよかったのだが、寿司を食べようにも寿司屋がべらぼうに多い。まぁ、しかし、それは市場のお膝元、ネタは新鮮にちがうまい、と適当な所の暖簾をくぐる。これが間違いでした。築地の市場、ピンキリです。やっぱり寿司はネタ半分シャリ半分なのだと実感。築地をなめてはいけません。オヤジ、30分以上待たせたあげく、こんな中途半端なものだしてもらっちゃ江戸っ子も泣くぜ、というシロモノ。
「まぁ、本日の目的は伊藤忠太ですから」
と後輩になぐさめられながら築地本願寺へ。関西の伊藤忠太の建築といえば、平安神宮や昭和初期の梅田阪急電車のコンコースなど(現在はデパートの近くにある壁画とかですよ)。この壁画とシャンデリアの不思議な雰囲気好きだったのだが、取り壊されるのは残念。10月中旬に梅田へ行った時にちゃんと見納めしてきた。築地本願寺もインド建築やらペルセポリスっぽい獅子がいるやら、摩訶不思議な寺院となっている。信者さんは熱心で「仕事はどうしたんですか」と心配になるくらい平日の朝9時近くにサラリーマンの姿が。寺院内には「結婚相談部」なるもののポスターが貼られており、「仏前結婚式」の広告。けど、ウエディングドレス着用。ファンタスティック・じゃぱん。
で、伊藤忠太氏の特徴といえば、その摩訶不思議な動物たち。平安神宮の動物達も不思議だが、この築地本願寺にもいたるところに孔雀や牛、猿に獅子などが配置され、どの彫像も個性的。なかでも気に入ったのが写真のネコだか犬だか狛犬だか、という動物。この「でへっ」って感じがたまらない(マニア?)。いいでしょ。