紅葉遠し

紅葉にはまだ早かったが、関西へ私用で赴く。メインは和泉府中でのお墓参りだったが、久しぶりに京都も訪れた。久しぶりといっても今年の4月以来、という事なんだが、それでも色々と変っている。
まず、丸善閉店にショック。京都では、必ずといっていいほど丸善ジュンク堂へ寄っていたのに、ジュンク堂だけでは片参り(?)となってしまうではないか。
そして、高苔寺付近が大きく変っていた。ねねの道沿いには、おそらく町並み景観保存のコンセプトを取り入れたであろう新築のお店が並び、なかには全国規模でブームとなった「都路里」まで出店。若者で賑わっている。
神泉苑もちょっと様変わり。これは義経ブームにあやかろうというのか、苑周辺に「これでもか〜!」というほど『義経と静の出会いの場』と書かれた旗がたなびいていた。
一方で、久しぶり(といっても3年ぶりくらい)に訪ねた三十三間堂は変わっていなかった。私はここの美術館とお寺の狭間を漂うような不思議な雰囲気も好きなのだが、一番好きなのは、ここの二十八部衆の説明の面白さである。これがまた、一つ一つ丁寧に読んでおきたくなる詳しさなのだ。サンスクリット語での御名から始まって、神としての由来、仏教での位置付け、そしてエピソード。仏を正しく伝えたい、というのはわかるが、阿修羅像の説明で、ペルシャ最高神アフラ・マズダーまでに言及する説明が他の寺院であるだろうか。奈良の興福寺の阿修羅像にだってそんな詳しい説明はなかった気がする。そして、そこかしこに現れる古代インド聖典リグ・ヴェーダ』や『金光明経』などの仏教経典記述。これは、明らかにその手の知識を前提として求めていないかい。信者さんはともかく、修学旅行生にはヒンドゥー教と仏教の関係も理解しがたいと思うのだが、これ如何?
ま、何はともあれ、お墓参りの後に、たくさんの神仏にお会いして、頭がちょうどいいくらいにボッーとしたところで夜行バスに乗車。京都と東京をむすぶ女性専用の夜行バス。その名も「レディース号」。なんだか名前だけみると
「いくぜ!ブヒブヒ飛ばすぜ!さぁ、乗ってみなよ。おらぁ!」
ってな感じだが、内装は花柄のカーテンや淡いピンクの毛布、などと、なんだか乙女チック。しかも空いていたので、しっかり爆睡して帰宅。むむ。クセになりそう。