おれ、おれ

でました。真夜中1時半の電話。2コール以内でとってしまう私もどうかと思うけど、帰国数日にして初「おれ、おれ」ならぬ「警察」コール。
「警察の者ですが・・・」
と始まった会話に、内心思いつくヤマシイ事がないことはないわけで・・・(北の国から風に)。例えば、三田時代にスピード違反で数回捕まっていることとかさ。ごほごほ。心の動揺のせいか、「実は、お家の近所で○×がありまして・・・」という相手の言葉もよく聞き取れない。「何かそちらで変わったことはないかと思いまして」などと続いていく会話に、ハッと気を取り直して聞き返す。「すみません、何があったんですって?」最初の台詞から何も聞いておりませんでした、と告白する感じで申し訳なかったが、これを聞き逃したら肝心の内容がわからんでしょう、と勇気をだす。
「いや、ブッショクがありましてね。犯人がオタクにも侵入していたようなのですよ」
「なんですって?」
「いや、ブッショク」
ブッショクって、物色のこと?「物色する」の物色?と考える。窃盗とか強盗とか空き巣とかを未遂のまま逮捕した状態の犯行を「ブッショク」という警察用語があるの?自慢ではないが、私のミステリー好きは海外ミステリーに偏っていて、FBIスコットランドヤードの用語に詳しくても国内警察用語には詳しくないのだ。「ほ、ホシはあがったのですか」などと聞こうとして、「奥様ですか」と確認する声に、いや、娘ですけど、と訂正する。ここで、相手の背後がとても静かなことが突然気になる。窃盗犯が捕まって、その被害状況を調べてまわるには、なんだか変な時間なんじゃないの、とか。署から電話ならもうちょっと背後に音があるよねぇ、とか。いやぁ、けど人を疑うもんじゃないかしら。本当の警察だったら失礼だよねぇ、などと思いながら、次の台詞で吹き出す私。
「いやぁ、ご両親には言えないことなんですがね・・・」
「ぶっ・・・・あ、失礼。えーと、失礼ですが、どちらの警察署の方ですか」
ガチャッ。ツーツーツー。
(はやッ!)
受話器を持って固まることしばし。最初の方、動揺して「昼間は人がいないのですか」という質問とかに「はぁ・・・」と曖昧に答えていた気がする。や、やばい?
ご両親に言えないことって、どんなんだろう・・・続きが気になるとこである。