バケーション

今日は大きなショックを受けた。ルーヴァンを離れるにあたって、「これだけはおさえておかないとね」というお菓子屋さんをスキップしながら訪れると、「17日までヴァケーション中」の貼り紙が店の前にかかっていたのである。チョコレートを最低2箱は買って帰るつもりで、ついでに繊細なガトーショコラなんぞを夕食後の楽しみに買うつもりで、大金を抱えて(といっても数十ユーロ)行ったのに。中央図書館で閉館時間まで惰眠をむさぼり(←あれ?)、ノルマをこなして、閉店時間を気にしながら駆けつけたのに。
もちろん、ルーヴァンにだって、有名なゴディバやらノアハウスやらレオニダスやらのチョコレート店が軒を連ねているし、ブリュッセルに行けば日本でも有名なピエール・マルコリーニやらヴィタメールやらもある。しかし!私が愛するのは町のはずれにある家族経営の素朴かつ繊細な味なのだ!(←興奮気味)味にうるさい近所の人々が「日曜ランチのデザートはやっぱりあそこのケーキだよね」と足繁く通う町のパティシエの味こそ、私が日本に持ち帰りたかったものである。17日まで休まれたら私はとっくにライデン、パリ、香港、東京、バンコクを経由してカンボジア入りしている。
散歩の途中で見つけて以来、ご贔屓にしてきたパティシエに、最後の挨拶ができないのも非常にくやしい。まぁ、むこうは私のことを「時々幸せそうにケーキとチョコを購入しにくる怪しいアジア人」としか認識してないだろうが・・・。
明日の夕食は「これだけは絶対おさえておかないとね」というモロッコ料理。人の良さそうなご夫妻経営のレストランだが、バケーションでないことを祈る次第である。