ミラノに電話

ミラノの友人に電話しました。消息不明のオガチヨさんです。彼女は約3年前にミラノに渡り、インテリア・デザインの勉強をしています。直接声を聴いたのは1年ぶりくらい。
「獣が鳴いてるけど、なんで?」
下宿先から電話したのですが、窓から流れてくる鳥たちの声が電話のむこうにも聞こえたようです。突然、同じような台詞を3年前のバンコクで聞いたのを思い出しました。ミラノに渡る直前の3年前の夏、バンコクにいた私を訪ねてきてくれた時、私の住んでいたアパートの庭は、都心なのにジャングルのようにいろんな鳥が鳴いていました。その時やっぱりオガチヨさんは、似たようなこと言っていた気がします。月日が過ぎるのは・・・と月並みなことを考えて記憶が飛びます。
バンコク滞在中、彼女はもう一人の友人に連れられ(導かれ?)、当時「バンコクの母」といわれていた占い師のところへ行きました。えぇ、その友人はまさしく「占い師オタク」の称号を与えられるほど、バンコクの占い師に詳しかったのです。私の調査地のピマーイに現れてまで、果敢にも地元の占い師に挑戦していた人物です。(そして、その占い師が生年月日の早見表(?)を読み間違えるや、厳しく指導しておりました)
オガチヨさんが、バンコクの母のもとを訪れた日、夕方にスクンビット通りにあるエンポリアムというショッピングセンターの食堂で待ち合わせをし、彼女がびっしり書き込んできた占い師の言葉を見せてくれたのを覚えています。大学時代に同居していた時は、占いに興味があるそぶりはみせませんでしたが、それはお年頃。会社をやめて新天地イタリアに移るということでいろいろ思うこともあったのでしょう。そして、占い師曰く、
「あなたは新しい土地に30年は住むことになるだろう」
すごい予言です。どうして新しい土地に住むことを知ったのか?(と思ったら、オガチヨさんが自分で言ったそうです)しかし、30年!なかなかキリのいい数字かもしれません。そして、続けて曰く、
アメリカ人には気をつけろ」
おそろしい予言(?)です。とりあえず、私の義兄はアメリカ人です、気をつけておいた方がいいかもしれません。思えば、私も小学生の時、某Dランドのゲームセンターで「OXおばさんの占い」なる自動占い機で「黒髪で首飾りをしている人に気をつけなさい」と忠告を受けました。以降、黒髪で首飾りをしている人を見るとドキドキです。あんまり日本にいられないのは、そのせいでしょうか。
驚くべきことに、第二の忠告はイタリアに渡った彼女をおそった惨劇により、あたっていたことがわかりました。アメリカ人には気をつけなければならなかったのです!これは、30年以上イタリアにいるというのもあたるかもしれません!
ということで、実は、「近くにおるんやから遊びにおいで」という彼女の言葉に「また今度」と返してしまっていたのも、心のなかでは(あと27年間はいるんだし、今いかなくてもいいかなぁ)という思いがあるからなのです。(はっ、オチがわからん!)