Queenつながり?

5月はいろいろと音楽の祭典が多い。日も長くなり、午後10時でも、まだうっすら明るい事を考えると、夏の夜を野外で音楽を聴いて過ごしたり、コンサートに出かけて楽しむ気持ちもよくわかる。
ブリュッセルでは、クィーン・エリザベート国際音楽祭が始まった。今年はバイオリンの年である。5月1日に始まって、ファイナルの終了する5月28日まで続く長丁場。審査する側も大変だろう。観客も負けてはいない。予選から受賞者によるコンサートまで、全て聴きにいくツワモノもいるのである。
月曜から始まったファイナルには12名が残っており、1日2名のペースで進み、28日に全ての演奏が終わって結果発表となる。先週くらいまでバタバタしていて気がまわらなかったが、今週になってHPをチェックしてみると、いつの間にかファイナリストとして12名が決定しているではないか。そういえばBozarの大ホールには入ったことないんだよね・・・と思いたつ。コンクールの会場となっているPalais des Beaux-Arts de Bruxellesは、アールヌーボー建築で有名なヴィクトール・ホルタが設計した音楽ホール。現在は修復工事が進んでいて、その担当建築家に連れられて現場を訪れたことがあるが、ホールまでは入らなかった。チケットも安い席なら2千円くらいだし、平日はまだ空席がある。ということで、行ってみることにした。
ファイナリストの12名のうち日本人が3名も残っているのはびっくりする(まぁ、確か参加人数も日本人が一番多かった気もするが)。しかも、火曜に日本人1名、ドイツ人1名で、水曜の演奏者2名は二人とも日本人だった。いうなればJAPAN DAY?やね。しかし、聴きに行くのが2名とも日本人でもなぁ、と思い火曜にいくことにする。
ミュージカルや映画もそうだが、どうもヨーロッパの上映(上演)開始時間は遅い。だいたい夜8時過ぎに始まり、終わるのは真夜中になる。最初の演奏者の演奏が始まるのが20時15分。第二演奏者の演奏開始が22時。電車もバスもなくなるっちゅーに、と結局第一演奏者のみ聴いて退散を決意。演奏者はKyoko Yonemotoという女性で、曲目はラベルのソナタg moll、今回作曲された課題曲、そしてパガニーニ協奏曲第1番だった。
実は、普通の演奏会ではなくコンクールを聴きにいったのは初めてで、なんとなく観客の雰囲気にのまれてしまった。「さて、どんな演奏を聴かせてくれるのかね?」と楽しみにするところは変わらないのに、コンクールではそれに挑戦的な意味が多分に混ざっている気がする。しかも、日本人の演奏を聴きにきたアジア人(←この時点で周囲からは日本人であると解釈されているが)ということで、変なプレッシャーまでついてくる。知りもしないのに舞台の上の演奏者を、運動会で子供の応援をする母親の心境で見つめてしまうから摩訶不思議。え、私だけ?
結果、およそ2時間ピキーンと背筋を伸ばして拝聴してしまい、疲れた。悪くなかったと思うが、他の人の演奏も聴いていないし、基準がよくわからない。テレビで司会が「いやぁ、なんともみずみずしい演奏でしたね、○田さん」と言ってそうな感じ。若いって素晴らしい。
あ、ちなみにBozarのホールについては、ノーコメント。前回ベルリンで、「カラヤンのサーカス小屋」といわれるものを見てしまいましたからね。インパクトがなぁ。