西にあるのか東にあるのか

Roo2010-09-07

今回の岩手では、南部鉄瓶を買おうと心に決めていた。なので、オススメの店をkenkenに聞いていた(ありがとね)。ガイドブックでも調べていくつかの店舗をチェックする。
上の橋でバスを降りて橋を渡り、紺屋町をぶらぶらと南へ。
紺屋町番屋を過ぎて、目的の店までもう少し、というところで、目の前に不思議な建造物が現れた。登録文化財「茣蓙九」である。くの字形にのびた道に沿うように建てられており、屋根部分の複雑な構造になっている。建物全体で何度かの増改築が繰り返されてきたに違いない。後ろ側からどうなっているのか見たいところである。
登録文化財とは知らなかったが、なんとも面白い造りに夢中になって写真をパシャパシャ。後で、建築専門の上司に「盛岡にいったんです」と伝えたら、すぐに「こういう面白い建築なかった?」と言ってきた、やはり有名なのだろう。
結局入った南部鉄の老舗では何も買えず、盛岡城跡まで歩き、石垣しか残らぬ天守閣跡に、ひとり打ちひしがれる友人を連れて百貨店までテクテク歩く。とっても歩きやすい規模の町なのだ。
友人はローカルな百貨店で目当ての南部鉄瓶をゲット。私は結局勇気がでなくて今回の購入は見送った。ただ、帰ってきてから、無性に南部鉄製のあるオーナメントがほしくて仕方ない。それは前述の南部鉄器のお店の職人さんが、趣味でつくった盛岡天満宮狛犬を手のひらサイズにしたもの。
啄木が「俺は生まれてから未だ世の中といふものが西にあるのか東にあるのか知らないのだ、と云った様な顔だ。」と述べたあの狛犬である。
啄木は苦手なのだが、心の底から「うまいこというなぁ」と感心した。
この狛犬、なんとも表現し難く、心くすぐる。私は実物を見れませんでしたが、盛岡にお越しの際はぜひ。