モロッコ料理とおやっさん

「ベルギーで何が食べたいですか?」と聞かれて「うーん、特にはないですが、ピエールのチョコでしょ、アスパラガスでしょ、ビールはもちろん飲みたいし、ルーベンのワッフルも美味しいですよね。あっ!この時期ならあそこのアイスクリームもいいなぁ」とブツブツと答える私。
「けど、やっぱりモロッコ料理ですかね」と結論すると、呆れながらも予約をとってくださったR子さん、感謝、感謝。
さて、ルーベンには、お気に入りのモロッコ料理屋さんがある。最初は、K西大学の先生が「数年前に来た時にいったら美味しかったんだよね」と連れていってくださり、これがすごく美味しくてはまった。夫婦で経営しており、奥様が料理を担当。旦那さんが飲み物とオーダーを担当していて、コースの値段も安めの設定。クスクスは予約制なので、食べたことがないのだが、アンチョビの前菜も、煮込みも、甘いデザートも最高。最後のミントティーと一緒に出てくる手作りのアーモンドクッキーがこれまた美味。研究当時、ルーベンにお客様が来た時は、絶対一日はこのお店での夕食を設定していた。
雰囲気も良い。街の中心から少し離れたところに、ぼんやりと灯っているレストランの看板。中は5組くらいしか入らない広さだが、夏になると奥の庭に2つくらいテーブルがでて、そこで食事ができる。庭を注意深くみれば、そこには様々なハーブが栽培されており、ミントティーはこの新鮮なハーブをいれているようだ。
しかし、何よりもこのお店の目玉(?)は旦那さん(通称:おやっさん)のキャラの面白さである。
「ア〜レレ〜(注:仏語・フランドル語)」といつも何かを忘れては、とりに戻りながらサービスしてくれるこのおやっさん、目下英語を勉強中である。といっても初めて訪れてから既に2年。
「I try to study English,Ya.(英語を勉強しようとしてるとこなんだよ)」
という英語のセンテンスはかなり流暢になったように思う。ここは気合を入れて、今度はフランドル語で対応せねば。