ロダン

Roo2005-01-18

私はどうやら彫刻に興味がないらしい、と気付いたのは最近である。一昨年初めてパリを訪れてから幾度もパリに足を運んでいるが、パリっ子にすすめられていた、ロダン美術館にはどうしても足が向かなかった。オルセーにあるロダンの作品をみても感動がない。そういえば、朝倉彫塑館でも彫刻よりも建築ばっかりみていた気がする。「今度行ってみるよ」という台詞を繰り返すばかりで、なかなか実際に行かない私に友人は「彫刻嫌いなの?」と聞く。それで「そういえば、そうかも・・・」と気づく私。いまさらである。
しかし、年末にパリを訪れた時は、ルーブルなどの大きな美術館は混んでいるし、年末で店は閉まっているし、小規模な美術館ならそんな人は多くないだろう、と訪れてみることにした。そして気づく。

ロダンって、あのロダンやん。

いや、べつに「ロダン=考える人」に気づいたわけではなく、カンボジア研究者(エセものだが)としてロダン美術館をチェックしたなかったのはどーよ、と。シソワット王、コル・デ・モンテイロや宮廷大臣チュオンらがカンボジア舞踊団80名を率いてマルセイユ植民地博覧会に赴いたのは1906年のことである。その後パリで行なわれた公演において触発され、150枚におよぶカンボジアの踊り子達のデッサンを残したのがオーギュスト・ロダンなんである。彼は帰路につくカンボジア舞踊団にマルセイユまでついていく熱心さで、「できるならカイロまでついて行きたかった!」と残念がっている。ロダン美術館にも、もちろん彼の残したカンボジアの踊り子達のデッサンが残されていて、興奮してポストカードになっているものと、いくつかの特集本を購入してしまう。

で、肝心の美術館そのものについての感想だが、けっこう楽しめた。庭はきれいだし(できたら冬以外に行きたい)、ロダン以外の芸術作品もけっこある。ゴッホやらルノアールやらモネやらが意外なところにヒッソリ展示させているのは驚いた。とりあえず、ずっとすすめてくれていた友人に「行ったよ」と報告できるのは嬉しい。