パトラッシュっっ!!

Roo2005-02-05

週末をつかってアントワープへ行ってみた。ベルギーは、国内でも数時間で移動できるから楽である。しかも、週末ディスカウントというものがあり、電車の切符は土日は半額になる。旅人に優しい国だ。知り合いの中には、アントワープよりブリュージュが好き、という人が多くいた。アントワープに行ったことがなかったので、なんともいえなかったが、まぁ言うなれば、アントワープよりブリュージュが好きな人は、大阪より東京が好きな人。または、アメ横より自由が丘が好きな人。そんで、カエルよりはうさぎの方が好きな人。(適当でない例はどれか?)

日本人のある年代に圧倒的支持を得た「フランダースの犬」はアントワープが舞台である。あのアニメが放映された後、「ネロ少年の家はどこですか?パトラッシュと歩いた道はどこですか?」と聞く日本人観光客が急激に増えた。だが、アントワープの人々はそんなもの知らない。日々増える観光客と同じ質問。そこで、アントワープ市は調査を実施。結果、その質問がアントワープを舞台にしたイギリス人作家による小説によるものだと知るのである。そう、「フランダースの犬」はベルギーの小説ではないのだ。

♪タンタンタン、タンタンタン、タータラタッタ、タンタンタン♪

横を歩く友人が無意識に口ずさむのは、まぎれもないあの懐かしのテーマ曲。あんな悲しい内容で、どうしてあんなに明るいメロディなのか、と常に疑問に思っていた一曲である。ちょっと気分は「京都で観光中に横にいる人がサウンド・オブ・ミュージックの曲を口ずさむのを聞いた時」?「懐かしのアニメ最終話ベスト10」などのテレビ番組で必ず上位に入るラストシーンは、アントワープの大聖堂にあるルーベンスの「キリストの降架」をパトラッシュと見たネロ少年が、寒さと貧乏の中で死んでいく場面である。悲しすぎる。日本全国○万人がそのシーンでドドッーと涙を流す。(ほんとうか?)
現在ももちろん、そのルーベンスの絵はそのままそこにある。しかし、聖堂内にはルーベンスによる絵画は数箇所あり、なんとなくアニメのパトラッシュとネロ少年が天国にクルクルと昇天していくシーンを思い浮かべると、聖堂中央に位置する「マリアの昇天」がそれにあたりそうな気がする。思わず、これがねぇ、とじっくり観てしまったが、実は、それは聖堂南側にある絵だと気づく。絵の前に設置されている数か国語での説明には、ちゃんと最後に「パトラッシュとネロ少年」についての説明もある。そして、聖堂の購買にはもちろんその関係の葉書もあるわけで・・・。(写真参照)思わず2枚も購入してしまい、チト後悔しましたが、横でオオウケして「フランダースの犬」関係の葉書を4枚購入している友人をみて、あと5枚は買っておきたかったかも、と思いました。